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実際にあった相続の話
このページは実際に相続担当税理士である松岡敏行が相続の現場で経験した出来事をコラム形式で紹介していくページです。
相続の実務ではドラマよりもドラマチックな事が多々あります。
#1)「本当の相続財産」とは… l
#2)10億円を手にした家政婦 l
#3)ご主人のベッドの横で毎日眠り続けた奥さん
#4)地下室の巨大金庫 l
#5)高額な結婚指輪は課税されるか?
コラム ご主人のベッドの横で毎日眠り続けた奥さん
これは、知り合いの心臓外科の教授の話です。教授には医師の親友がおり、過去にその親友に命を救ってもらったことがあったそうです。
ある日、心臓の手術のため、その親友が教授のもとに運ばれてきました。生存率は限りなく低い難しい手術でした。手術の結果、奇跡的に一命をとりとめたものの、二度と目覚めることのない身体となってしまいました。奥さんはその事実を受け入れられず、植物人間となったご主人のベッドの横で毎日眠り続けました。驚くべきことに何年も・・・
やがて、2人の息子が私立大学の医学部に入学することとなり、莫大なお金が必要となりました。夫は二度と目覚めないという事実を奥さんが受け入れれば、生命保険金を受け取ることができます。
「息子さんのためにも、そしてあなた自身のためにも、ご主人の死をお認めになって下さい」教授は奥さんを説得し続け、ようやく受け入れていただいたそうです。
「患者が死に向き合う心まで治療できる医師になりたい」と教授は言います。専門家として相続に向き合う心構えを、私は教授から教えてもらうことができました。 |